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東京都生涯学習情報
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学校支援の事業紹介
 
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 「東京電力プロジェクト」
― 世田谷区立世田谷小学校での授業実践 ―
 東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の取組
☆「電気を作る」ことを通して、電気を身近に感じ、電気を大切にする心を育んでいく

 平成19年2月28日(水)に世田谷区立世田谷小学校(川井 仁校長)において、6年生を対象に、「東京電力プロジェクト ― 手振り発電機をつくろう ―」というプログラムが実施されました。世田谷小学校は、「学びが楽しい学校」を目指し、学校支援コーディネーターと連携して、外部人材の活用を積極的に推進するなど、子どもの目が輝く授業づくりに取り組んでいます。今回は特に、保護者への紹介も兼ねて、学校公開日にあわせて授業を行いました。
 この授業は、小学校6年理科「電磁石のはたらき」における小単元として位置付けられていて、2部構成になっています。授業は担任が中心となって進めていきます。
 前半は東京電力のスタッフが、パワーポイントを使って、発電の仕組みと発電所の種類や働き、そして地球温暖化との関連についての説明をします。子どもたちは、とても落ち着いた態度で、話を聞き、新しい発見や疑問に思うこと等、熱心にメモを取っていました。
 発電の仕組みの説明では、実際に火力発電の模型を使って、蒸気によってタービンが回転し発電する様子を見ることができます。また、「ペレット」と呼ばれるウランを加工した原子力発電の原料についての説明では、わずか直径1cm、高さ1cmの「ペレット」一粒半で、一軒の家庭で使われる約1年分の電気を作ることができると聞いて、子どもたちから驚きの声が上がります。
 発電所の紹介では、発電方式の違いやそれぞれの利点に加え、環境面での課題にも触れることで、環境とエネルギー資源の関係について理解を深めていきます。「このまま石油を使い続けると、あと約40年でなくなってしまいます。他の資源も同様になくなっていきます。また、資源の無駄遣いは地球温暖化にもつながります。ですから、みなさん、電気を大切に使いましょう。」という東京電力スタッフの言葉に、子どもたちは真剣な顔で聞き入っていました。


 
金澤さんと広渡さん。東京電力のスタッフです。 熱心にメモを取っています。
金澤さん(左)と広渡さん。
東京電力のスタッフです。
熱心にメモを取っています。
 後半は、「手振り発電機」作りに取り組みます。実験キットは東京電力が用意してくれました。コイルと強力な磁石で電気を作り出します。まずは、コイル作りです。透明な塩ビのパイプにエナメル線を巻きつけていきます。コイルを巻き終わると、次は発光ダイオードの取り付けです。エナメル線の両端に赤と青の発光ダイオードを+と−に気を付けながら、それぞれ取り付けます。最後に磁石をパイプの中にセットして完成です。  
各テーブルにはスタッフが 完成した「手振り発電機」 部屋を暗くして振ってみよう!
各テーブルにはスタッフが 完成した「手振り発電機」 部屋を暗くして振ってみよう!
 コイル作りや、発光ダイオードの取り付け等、根気と集中力が必要な作業なのですが、各テーブルには東京電力のスタッフがつき、分かりやすくアドバイスをしてくれます。子どもたちも、スタッフの話をよく聞き、分からないところは質問するなどして、とても意欲的に取り組みました。作り始めてから約40分で、全員無事に出来上がりました。
 パイプを振って、磁石がコイルの内部を通過すると発光ダイオードがきれいに光ります。「ついた!」「わあ、きれい!」子供たちは夢中になって発電機を振っていました。
 最後の、子供からの感想では、「電気がどのように作られているのか分かった。」「電気を作る仕事は大変だと思った。」という意見のほか、「環境を守るために、電気を大切に使うなど自分ができることに取り組んでいきたい。」という意見など、電気を今までより身近に感じるとともに、電気を大切に使うための実践力を育む授業となりました。
 実際に電気を作って、家庭に供給するという仕事をしている東京電力のスタッフによる授業は、その仕事に携わっている人ならではの専門的な知識をもとにした説得力、人を引き付ける力があり、子供たちの意欲の高まりを感じました。授業後の子供たちの達成感に溢れた笑顔が印象的でした。


 
☆プログラム開発までの流れ

 このプログラムは、企業の特性をより生かして社会貢献に取り組みたいと考える東京電力と、学校支援コーディネーター、さらに、「地域教育推進ネットワーク 東京都協議会」(以下「ネットワーク協議会」という。事務局:東京都教育庁生涯学習スポーツ部)の3者によって開発されました。
 開発に当たっては、より学校現場に導入しやすく、さらに東京電力としての専門的な力を十分に発揮するために、総合的な学習の時間ではなく、理科の教科カリキュラムに則したプログラムづくりに取り組みました。
 授業の実施については、学校支援コーディネーターとの連携することで、授業を実施できる学校とつながることができ、今回の授業が実現しました。授業は、担任が中心に進め、東京電力スタッフは実験キットの準備、パワーポイント等の資料準備と説明、子どもの作業補助等、授業を支援する立場として参加しました。授業を行うに当たっては、事前に担任と東京電力スタッフで打ち合わせを十分に行い、授業の流れについて共通理解を図りました。
 東京電力では、今回のプロジェクトで得た新しいアプローチの方法を生かして、他の教科・単元でもより効果的なプログラムの作成に協力するとともに、東京電力の取組を一人でも多くの都民の方に知っていただくための努力を続けていこうと考えているとのことです。
 
 (お問い合わせ先)
  東京都教育庁生涯学習部計画課
  電話:03−5320−6853
  FAX :03−5388−1734
 
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