「かっこいい大人たち」との出会いを(中学校での「職場体験」事前学習) 〜NPO法人キーパーソン21 キャリア教育プログラム〜 |
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■ 実施日時、実施場所 |
平成22年9月24日(金)2・3・4校時 渋谷区立広尾中学校(永見章校長) |
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■ プログラム内容 |
授業開始直前の打合せ会場に足を踏み入れると、大学4年生であり、キーパーソン21の理事でもある下川原さんが司会を勤め、スタッフのみなさんに、最終的な確認を行っていました。 この日中学2年生を対象とした職場体験事前学習のスタッフは、キーパーソン21のスタッフが学生の5名を含めて計10名、それに今回初めて協力を申し出ていただいたスイス系製薬会社のノバルティスファーマ株式会社社員のみなさん18名、総勢28名での取り組みでした。 「社会貢献活動としてぜひ教育現場への支援も視野に入れた取組みを始めたい」というノバルティスファーマ株式会社の意向を、例年広尾中学校の職場体験事前学習の支援を行ってきたキーパーソン21が仲立ちとなって、今回の企画は実現したといいます。 通常のプログラム実施は、キーパーソン21が主催するファシリテーター養成講座を受講した会員スタッフにより行っています。今回はこの日のために事前研修を受講したノバルティスファーマ株式会社の社員が、ファシリテーターとなって各教室に入る試みです。 スタッフによる事前打合せ風景 事前学習は2・3・4校時を使って実施されました。 最初の2校時目は、2年の3学級全体でランチルームに集まり、「おもしろい仕事人がやってくる」と題して、ノバルティスファーマ株式会社社長の三谷宏幸さんによるお話です。 三谷さんが最初に生徒たちに配ったのは、自身の中学一年の写真が入ったプロフィールでした。「中学生の頃は関西で育ち、当時はそこからもっと広い世界に出て行きたい、そして具体的な夢ではなかったけれども、いつか影響力のある、なにかに影響をあたえることができる人なりたいと思ってたかな」と、いままさに中学生である若者たちを前に、直接当時の心情を思い出しながら三谷さんは語り始めました。 配られた三谷さんの中学生時代の顔写真入りプロフィールを見入る生徒たち 次に、「好きだった教科やスポーツは?」、「どん底になったときどうする?」、「仕事モードへの切り替え方法は?」、「一番大切にしていることは?」など生徒たちから寄せられた質問に、質問した中学生と対話をしながら応えていきました。 質問に応える三谷さん 3・4校時は、各クラスに戻って、「コミュニケーションゲーム」を行いました。 全体の進行はキーパーソン21のスタッフ、5つの小グループにわかれ、そのグループそれぞれに、社員のファシリテーターがついてプログラムを進めます。 あるテーマについてひとりづつの中学生が表現し、ファシリテーターがそのことを評価します。ゲームを通じて、社員の方々と中学生が交流を深めます。 まずはスタッフによる自己紹介、ニックネームを披露 グループごとにさまざまなシチュエーションで自分を表現 チャレンジごとに、ファシリテーターから一人ひとりに対して評価 近年キーパーソン21では、社会人を対象として人材養成を行うことにあわせて、積極的に「学生会員」を募り、学生が学校などでの支援プログラム実施への参加や、事務局スタッフとしての役割を果す機会を提供しています。 今回も5名の学生スタッフが参加していましたが、その中のひとり朝山大揮さんは 「養成研修を経て、7月に初めて都内の小学校でファシリテーターとしてプログラム実施しました。自分で考える、そしてそれを発表するという体験がこれまでほとんどありませんでしたし、まして人前で話をするということもほとんどありませんでした。」と、学生スタッフとして参加することで、社会人や児童生徒との出会いから得られた自信について語ってくれました。 小中高校生世代に教育支援を届けながら、近い将来社会人となる学生の世代にはスタッフを経験するしくみを取り入れることで、いろいろな世代が参加する活気に満ちたキャリア教育支援の現場が展開しつつあるのを感じました。 |
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■ 担当者のひとこと |
〔キーパーソン21のご担当者のひとこと〕 プログラムがすべて終了し、ノバルティスファーマの社員の皆様が帰られる際に、生徒たちが、門の外までお見送りをして手を振る姿に本当に感激しました。 地元なのに知らない企業、知らない企業の会ったことのない大人、でもこんなにも楽しくコミュニケーションを交わすことができた経験は、必ずや生徒の心に残っていくものと思います。 社員の皆様が、プログラムの事前トレーニングに真摯に取り組み心をこめて準備くださったこと、そして企業が本気で教育に取り組んでくださった結果得られたことだと思います。 また、広尾中学校の先生方が生徒のことを思い、ノバルティスファーマの社員への歓迎の意を表す方法など、お忙しい中、一生懸命ご準備くださったことが、素晴らしいプロジェクトとなったもう一つの大きな理由であったと思っています。先生自らこういうお姿を生徒に見せることこそが、キャリア教育なのではないかと思ったりしました。先生が褒められる、社会で讃えられる何かアワードが必要だなと強く感じました。 学校と地域の企業とNPOの三者がダイナミックに一つに繋がって教育に取り組む一つの形を実現したと思います。 ノバルティスファーマ株式会社の社長をはじめ、社員の皆さま、先生方、ご協力くださいましたすべての皆様に心からの感謝を申し上げます。 朝山あつこ(特定非営利活動法人キーパーソン21 代表理事) 〔ノバルティスファーマのご担当者のひとこと〕 「人々のいのちと健康に貢献すること」を企業目的とするノバルティスでは、一日でも早く患者さんに新薬を届けることと同時に、地域においても責任ある企業市民として貢献することを社会的使命と考えています。 今回初めてキャリア教育プログラムの一環に参加させていただきましたが、参加した社員は、相手の立場にたつ事や誠実で素直な姿勢の大切さなどビジネスの基本を再認識し、自分たちが中学生の皆さんから学ぶことが多かったようです。 素晴らしいプログラムとリーダーシップのとれた教育現場に関わることができたことを御礼申し上げるとともに、今後ともさまざまな角度から社会へ貢献していきたいと考えております。 清野 美智恵(ノバルティス ファーマ株式会社 広報部 コミュニケーション推進室) |
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■ 団体等のURL |
NPO法人キーパーソン21 http://keyperson21.org |