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東京都文化財めぐり

千駄木谷中界隈を歩いてみませんか
千駄木谷中界隈散策コース

閑静な住宅街からどこか懐かしさを感じる街の賑わいまで、様々な顔を持つ本駒込から根岸の地域。江戸時代には、中山道を通じて江戸市中への入り口でもありました。明治に入ると、東京大学や東京美術学校にも近いこの地域は、森鷗外や夏目漱石を始めとした文豪や、岡倉天心や朝倉文夫などの芸術家も集う街となりました。

今回は、江戸時代の大名屋敷や寺院の雰囲気を感じる文化財のほか、明治の文化人の暮らしを垣間見ることのできる文化財めぐりコースを御紹介します。

谷中・千駄木界隈を歩こう

江戸時代、将軍の居城を中心に百万都市として発展を遂げた江戸は、大火や地震が起きると武家地や寺社の配置替を行い膨張していきました。公式な江戸の範囲は文政元年(1818)の「江戸朱引図」により町奉行・寺社奉行の管轄範囲が定まることで初めて決まりました。江戸城から見てほぼ真北に当たる本駒込・千駄木・谷中・西日暮里・根岸は、江戸市中から市外へとなっていく多様な地域的特性を有しています。

現在の駒込駅から千駄木の森鷗外の旧宅(都指定旧跡:森鷗外遺跡)までの地域は、中山道から分岐する日光御成道(本郷通り)に沿った地域が中心です。本郷三丁目交差点にある「かねやす」(江戸時代に、「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」という川柳で有名になった商店)から北へ向かい、前田家上屋敷や水戸徳川家中屋敷(ともに現在の東京大学)を過ぎると、駒込の寺社地や農村地域になっていきますが、中山道沿いの武家地からつながる柳沢家下屋敷(国指定特別名勝:六義園)などの大名屋敷も点在します。このあたりは比較的平坦地で、不忍池へつながる谷戸川により浸食された谷に臨む武蔵野台地東端の台地上を歩くことになります。森鷗外の旧宅はこの台地端上に建ち、東京湾も望めたことから「観潮楼」と名付けられています。

森鷗外旧宅から団子坂を下り、谷中銀座から「夕焼けだんだん」を登ると、東京低地を望む細長い台地上に出ます。江戸時代には寛永寺や天王寺などの寺院が立ち並んだ場所で、同じ台地上の旧朝倉文夫邸(現・朝倉彫塑館)も眺望が良かったものと思われます。旧朝倉文夫邸や谷中霊園から御殿坂などの坂を下ると東京の低地部で、こちらは江戸時代には農村地帯でした。今回のコースは子規庵などの低地の史跡がゴールとなります。起伏に富んだ東京の台地部を歩いて、多様性に富んだ新しい東京の一面を感じてみてください。

散策順路・文京区

  1. 安井息軒墓
  2. 西村茂樹墓
  1. 森鷗外遺跡

散策順路・台東区・荒川区

  1. 岡倉天心宅跡・旧前期日本美術院跡
  1. 旧朝倉文夫氏庭園
  2. 台東区立朝倉彫塑館住居
  3. 台東区立朝倉彫塑館アトリエ棟
  4. 台東区立朝倉彫塑館旧アトリエ
  5. 台東区立朝倉彫塑館東屋

散策コース地図

カタログ版案内(PDF)

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