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生涯学習情報トップ > 施策情報等 > 地域教育推進ネットワーク協議会トップ > フォーラム「芝生から広がる地域づくり」~緑あふれる10年後の東京へ向けて~

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事業報告

フォーラム「芝生から広がる地域づくり」
~緑あふれる10年後の東京へ向けて~

平成19年10月20日開催

練馬区立中村小学校

※当日のパンフレット(PDF 877KB)はこちら

プレイベント
  FC東京による「中村スポーツ少年団」の小学生を対象としたサッカー教室
写真「サッカー教室1」 写真「サッカー教室2」 写真「サッカー教室3」
芝生が動いてる!」と子供たちが歓声をあげた「Mr.ピッチ」も来てくれました

 
 

第1部
主催者挨拶 松田二郎(東京都教育庁次長)
写真「主催者挨拶」 大都市で緑を維持し、増やすことは大変難しい営みですが、「校庭の芝生化」も東京都で緑を増やす対策の一つです。地域の方々、保護者の方々、いろいろなノウハウをお持ちの方々が協力して芝生を植え、維持・管理する。学校に地域の方々がみんなで入って、お互いに作り上げていくことが、これからの教育のあり方として望ましい方向です。そのことから校庭の芝生化は非常に意義高いものと考えます。
 本日のフォーラムは、校庭の芝生化を支える様々な関係者が一堂に集う、初めての機会です。様々な方に支えられながら、校庭芝生化を一層進め、このようなすばらしい取り組みを東京都の各地域に広め、さらには全国の都市に向けてこの事例をアピールしていきたいと思います
講演「私とサッカー」 相馬直樹さん(サッカー解説者、元日本代表サッカー選手)
写真「講演1」  静岡県の清水市(現静岡市)で育ちましたが、小学校1年生からサッカー部で、そのころから当時はまだなかったプロサッカー選手になると言っていました。その夢を実現できて、とてもうれしい気持があります。
 大切なのは、自分の夢にむかって努力し続けること。ただ、今になって気づくのは、夢を実現しようとして努力している人を支える人たちがいたということです。私が日本代表の選手だった当時、静岡県出身のサッカー選手が3分の1もいました。なぜかと考えてみると、小学校の1年生からリーグ戦があり、数多くの試合を経験していました。ナイター設備もほとんどの学校であったので、夜まで練習をすることができました。芝生の学校も多く、予選の試合でも芝生のグラウンドで行なうことが多くありました。そのような環境を整備してくれている人たちがいたからこそ、今の自分があります。
 保護者、PTA、関係者の方の情熱が、子どもたちの将来につながっていくのではと思います。このように子供たちが活動できる芝生のグラウンドを増やしていく取り組みを、さらに広げていただきたいと思います。写真「講演2」
事例発表
「中村小学校グリーンキーパーズ」
内田常幸さん 中村小学校グリーンキーパーズ(NGK)副代表
発表のパワーポイントの資料は、中村小グリーンキーパーズのHPに掲載されています。→ http://www.shibafu.jp/
写真「事例発表」 平成15年、おやじの会から「中村小学校の校庭を芝生にする会」が立ち上がり、校庭の一部を芝生化しました。練馬区の緑化推進と東京都の助成金を使っての芝生化の計画が出され、学校と話し合いを続けて、様々な方が維持管理に関わる形で芝生化をしました。観賞用ではなく、使える芝生を維持することが目的です。運動会ではだしの騎馬戦、Gボールを使った授業など芝生ならではの活動が増え、子どもたちは芝生の芽を見つけると、踏まないように気を付けるようになっています。芝生を生き物と捉え、命の大切さを学んでいます。
 維持管理組織であるNGKは、学校・保護者、利用団体、校庭を芝生にする会、地域の有志、専門家のアドバイザーなどで構成し、月1回の会議で活動の見通しをたてて活動しています。作業を分担することで、多くの方の参加、協力により芝生を維持しています。
 機関紙やHPでの正確な情報の発信、イベント等による地域の理解の広がりを図りながら、憩いの場として地域とのつながりを大切にし、心の交流ができてきました。このことが、子どもたちを守ることにもつながっています。地域の施設を大切にする心を育てています。これからも、楽しく活動を継続していきたいと思います。

※当日会場に掲示した中村小学校グリーンキーパーズのパネル(PDF 435KB)はこちら
パネルディスカッション
「子供たちの教育環境を社会全体で豊かにするためには
~校庭の芝生化を通じた学校と地域の協働を目指して~」
写真「パネルディスカッション1」
パネリスト     中島修一さん(練馬区立中村小学校長)
桜木則子さん(中村小学校グリーンキーパーズ)
櫻井茂さん(中野区立武蔵台小学校長)
長倉亮一さん(「芝生応援団グラス・ルーター」代表)
コーディネーター 井上尚子さん
(NPOスクール・アドバイス・ネットワーク副理事長)

■自己紹介より

中島修一さん(練馬区立中村小学校長)
 中村小学校では、昨年度1年間、芝生をテーマに研究を行ないました。工事を行なっている時から、維持管理をどのように行なうか、考える会を設けていました。学校としてどのような姿勢で芝生を考えていくかということから話し合い、子供たちが芝生の上で活動できるよう、できるだけ使用を制限しないことを基本として、そのためにはどのように関わっていけばよいのかについて話し合ってきました。教育活動の中での教材化、子供たちの直接の関わり、学校としての管理運営体制などについて具体的な話をしていきました。
 低学年の子どもたちは芝生での遊びを工夫し、高学年は総合的な学習で芝生との関わり、地球環境の影響について学んでいます。運動会などの行事や、休み時間の活発な活動など、ダストの校庭ではできないことができています。
 地域、PTA、行政、NPOのアドバイザー、業者等と一緒に定期的な打ち合わせを1年半続いて行なっていることで、芝生を維持できていると思います。

桜木則子さん(中村小学校グリーンキーパーズ NGK)
 中村小学校に2人の子供を通わせている保護者です。NGKは保護者や学校を離れてしまった方など、いろいろな人たちが一緒になって活動しています。その人たちの意識が一つにまとまったことで、芝生が維持できています。実際に作業に関わって、これほど大変かという思いを何度か味わいましたが、自分たちが理想に思ったことを基礎に、マイナスのことを覆していくパワーを持ち、話し合って決めていく、コミュニケーションが芝生を育てていると思います。子供たちは芝生が楽しい、面白い、気持いいと言います。これまで外に出なかった子供が、雨の後でもすぐに乾くので校庭に飛び出していく。このような姿を見せられた時に、もっといろいろなことを経験させてあげたい、遊ばせてあげたいと、自分の意識を転換することができました。NGKの活動の中で、これまでお話しすることのなかった方たちと話し合うことで、人間関係もつくっていくのだなとしみじみ感じています
 いつかは、サッカーや野球をする子供たちが思い切り活動できるよう、保護者も行政も力を合わせていきたいと思っています。

櫻井茂さん(中野区立武蔵台小学校長)
写真「パネルディスカッション2」
 今年度、校庭を芝生化しました。今、冬芝の種をまいて養生しているところです。
 中野区の教育ビジョンで区内の学校の芝生化の方針が出されました。本校が中野区で2校目。校庭という広い面積の緑化の効果や、子供たちの生活環境の向上というメリットがあります。保護者に協力をいただいて校舎内の壁のペンキ塗りを行なったので、校庭もぜひ協力していただいて芝生化できればと思いました。今年度は50周年ということもあり、学校を変えていくよいきっかけと考えたのです。
 5月の連休明けから工事に入り、全校児童で芝生を植えました。緑がふえ、赤トンボが飛んでくるようになっています。バッタも飛んでいます。夏のかなり暑いときには、表面温度が土の場所より10度から15度くらい低いという結果が出ています。子どもたちの遊びの種類が豊富になり、保護者や地域の方が喜んでくれます。地域の方が学校に注目してくれるようになっています。
 芝生の管理については、現在、行政の職員、業者もよくやってくれています。地域と一緒になった管理については、まだ始まったばかりですので、地域と一緒の体制について、工夫していきたいと思っています。

長倉亮一さん(芝生応援団グラス・ルーター代表) 
 私たちの団体は、芝生の専門家ではありません。結成当時には芝生についての知識がある人もいませんでした。今年の6月に開催された日本芝草学会の研究発表では、芝生についての情報が無いほど、校庭芝生化に積極的ではないという報告がありましたが、このようなフォーラムで、関わっている方が一同に会することがとても重要だと思います。
 校庭の芝生がだめになる、という話しがよくありますが、芝生は子供たちが使うので、傷むことは当然あります。芝生を維持することは絶対にできると思っています。芝生の世話はとても楽しい作業です。どのような作業をどの時期に、というプロの判断は必要ですが、子供でも維持管理作業に参加できます。それまで地域の活動には入りにくかった父親たちも参加しやすい活動です。地域の学校の運営の中に参加していく、という新たな地域コミュニティがつくられていると感じています。
■話し合いの中から

■地域の方にどのように協力を呼びかけるか
<櫻井さん>芝生化が決まり、PTAの運営委員会で度々話し合いました。維持管理組織「武蔵台小学校の校庭芝生を育てる会」には行政、町会、健全育成団体、スポーツ団体などに入っていただいています。維持管理にはこのような作業があると知っていただき、今後について考えるきっかけとして、夏休み中の養生の中で芝刈り体験の回を3回開催したところ、3回目は40名程という参加者になり、関心が高まっていると感じています。
<中島さん>中村小では、常時活動として毎週水曜日にPTAの芝生協力委員の方の作業日があり、他にも気づいた時に来てくださる方もいらっしゃいます。定例の打ち合わせで作業日を確認しているので、作業のみ、打ち合わせにも参加など、トータルするとかなりの人数の方が参加していると思います。「子供たちのために」と集まってくれているので、子供たちがどのように芝生を楽しんでいるのか、関わっているのかをお知らせしています。

■養生期間の工夫は
<中島さん>広い校庭ですが、児童数が多いので一人当たりの面積が狭く、芝生の適応面積といわれているものの半分しかありません。芝生を養生していくことと、使うことは緊張した関係にありますが、このように活動を工夫すれば、芝生は大丈夫だろうということが分かり始めています。全面養生の時は、体育館と屋上を利用。屋上にはウレタンをひいてもらいました。校庭では、土の部分で活動しています。部分養生の時はなわとび、マラソンなど土の上で行なう活動をたくさん取り入れて、芝生の上の活動を少なくするなどの工夫をしています。
<櫻井さん>芝生工事で4ヶ月間校庭が使用できませんでした。体育活動は4月中にまとめて行い、5月から体育館や土の部分で活動し、6月からはプール、9月末の運動会の練習と運動会で芝生をめいっぱい使い、今は養生中で体育館を使用しています。近隣との連携ということで、区立中学校の校庭と都立高校のテニスコートを利用させていただいています。
写真「パネルディスカッション3」
■遊びの変化
<長倉さん>ルールを作ることは、子どもたちは得意です。名前をつけられないような遊びもしているし、低学年の子が芝生の上でおままごとのようなことをやっています。身体を動かすのは芝生だよ、といってきましたが、虫をみつける、花をつける雑草を見つける、それまで見かけなかった昆虫をみつけて大騒ぎ、というのも子供たちには大切なことだと思います。
■活動の制限について
<中島さん>芝生になることで、スパイクが使えなくなるので心配の声がありました。何度か話し合う中で、発想を変えていかなければならないだろうということがわかってきました。学校の校庭を使って、団体でどのような活動をすることを基本とするか、話し合いながら工夫していただくことができています。

<桜木さん>大人数で使うことは難しいこともありますが、ここが活動拠点という団体には迷惑をかけていることは事実だと思っています。ただ、できないからやらないのではなく、どうすればできるか、どのようなことならできるか、工夫して芝生と共存していくために一緒に話し合っていくことが大切なのかなと感じています。サッカーチームの高学年は芝生の上では練習しないようにするとか、芝生の状況によって、今日は練習を遠慮しましょうと団体から声をかけてくれるようになってきました。

■今後について

<中島さん>昨年度全校児童にアンケートをとったところ、9割の児童たちが「芝生がとてもよい」と答え、1割は活動が制限されて困るという回答でした。卒業していく6年生は「芝生を学校の伝統にしてもらいたい」、「学校の特徴」としては芝生を1番にあげる児童もいました。いかにネットワークを充実させていくかが、芝生との共存できるキーポイントだと思います。知恵をしぼって、手を携えていきたいと思っています。
<桜木さん>校庭が誰のものなのか、学校がどういう場所なのか、行政や保護者の意識に違いがあるように感じています。校庭芝生は教育なのか、環境なのか、だれが守っていくものかについてもっと話をしていきたい。子どもたちをしめつけることなく、地域が一体となれる環境を作るというような大きな柱をもって芝生化を進めていただき、私たちも一助になれればと思います。
<櫻井さん>教育という面から考えれば、子供も関わってくことは必要だと考えています。工事期間・養生期間と学校行事をうまくリンクして、できるだけ教育活動に支障のないような計画をたてていくことが必要です。専門的な知識・技術がある方にフォローしていただけるようなシステムも大切だと思います。
<長倉さん>一つの学校の芝生の維持管理については、プロの技術者のタイムリーなアドバイスが必要です。1週間後に状況を聞いたのでは遅いということもあります。ただ、東京都全体を見渡した場合には、関心を持つ人間のネットワークをつくり、経済的・技術的なアドバイスができる組織が立ち上げられるようであれば、効果的な支援の方法を見出せるだろうと考えています。

<井上さん>経験している方が増えているので、横のつながりをもって共有しながらいいものにしていきたいと思いました。行政もぜひ情報のパイプ役を担っていただきたいと思います。維持管理、養生等、地域の力が大切で大変なこともあるかもしれないですが、マイナス面を上回るような、子供たちの遊びの多様化や、環境学習、地域の方にも協力していただけるというプラスの効果も大きいことがわかりました。もっとプラスにできるように、コミュニケーションを豊かにしていく必要があります。
 芝生化をきっかけとしていろいろな方々が集い、子供たちのために大きな力が出せていければ良いものになると感じています。学校は地域の力を結集して、よりよい教育をつくろうという時代になっています。芝生の遊びを考える、そのような人たちが学校の他の部分でもサポートしてくださるような地域になっていければと思います。

「東京芝生応援団」結成の呼びかけ
写真「呼びかけ」
・根本敦史さん
  財団法人日本サッカー協会 
     キャプテン・ヘッドクォーターズ 

・西本敏雄さん 
  社団法人ゴルファーの緑化促進協力会 常務理事 

・藤崎健一郎さん 
  日本芝草学会 校庭芝生部会長 
根本敦史さん
 サッカーをする私たちは、何よりも芝生の上でのサッカーがすばらしいことを実感しています。スタジアムだけでなく、身近なところに芝生の広場がある、という環境づくりにむけて、より多くの人と理念を分かち合いながら、一緒に進めていければと考えています。
西本敏雄さん
 ゴルフというスポーツを通じて、ゴルファーは緑の恩恵を受けています。この恩恵をより広く、多くの方に享受していただくことを目指して、12年前から校庭芝生化に取り組んでいます。これまで校庭芝生化を助成した学校では今でも子供たちが芝生の上で楽しんでくれていますので、ぜひ、校庭芝生化の機運が広がるよう、協力していきたいと思います。

藤崎健一郎さん
 30年前にも、校庭芝生化については話がありましたが、その時と今は芝生に関心がある方が増えてきているという違いがあり、芝生化の動きが各地で起こっています。学校の一部の人が担当するのではなく、手助けをする人が増えてきました。そこから、芝生化以外にも地域の方が協力する活動が広がっています。今日も9つの団体が参加して展示していますが、協力したい団体もたくさんあるので、もっと楽しい活動、新しい活動ができるよう、アイディアを出し合っていきたいと思っています。
芝生維持管理体験
写真「芝刈り1」 写真「テント展示」 写真「芝刈り2」

 NGKの方たちが、芝刈りの指導をしてくれました。初めて体験する参加者からは、何センチくらいの長さに刈るのか、機械のメンテナンスなどについての質問があり、展示コーナーのパネル等とあわせて、維持管理作業について様々な疑問を解決する機会となりました。

Gボール体験
写真「Gボール1」 写真「Gボール2」
中村小学校の子供たちと一緒に、Gボールを使った体操、遊びを体験しました。最初に子供たちが音楽にあわせて、模範演技を披露してくれました。
 一人だけではなく、グループで行う動きもあります。中村小学校では、休み時間に子供たちがGボールで自由に遊んでいます。


※Gボールを使った運動例(PDF 634KB)はこちら

会場の様子と学校紹介パネル

     写真「外テント1」           写真「外テント2」    



写真「室内展示」写真「大学展示」


校庭を芝生化している学校紹介パネル

当日、会場に掲示したパネル(PDF)です。

(※各パネルのファイル容量は、300~900KB程度です。)


 ・練馬区立中村小学校
 
 ・板橋区立金沢小学校
 
 ・中野区立武蔵台小学校

 ・世田谷区立烏山北小学校

 ・墨田区立柳島小学校

 ・足立区立中島根小学校

 ・東村山市立久米川東小学校

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